わざわざ外出しなくても、有名レストランを訪れたような美食と雰囲気を自宅で楽しめたら。そんな声に応えるために、レストランとタクシーの配車アプリがタッグを組み、新サービスをスタート。名店の世界観が詰まった特別メニューを、厨房から自宅へ直接、プロドライバーが届けてくれる。和食、フレンチ、イタリアン……料理人たちの心の結晶ともいうべき美味の数々を、おうちでリラックスして堪能しよう。

東京・青山の一軒家レストラン「レストラン・ランス・ヤナギダテ」。独創的かつ繊細な料理に定評のある柳舘 功シェフが、美食とシャンパーニュのマリアージュを楽しませてくれる名店だ。そんなレストランのフルコースが、三段のお重に詰められて自宅に届く。利用者にとってはこの上ない贅沢だけど、料理人にとっては難題と思えるスタイルへ、あえて挑んだ理由や込めた思いを伺った。

「フルコースしか出さない」がポリシーのフレンチレストラン〈レストラン・ランス・ヤナギダテ〉

「今日より明日、明日よりも明後日、そしてその先の自分にしかできない料理を創りたい」。柳舘シェフは、自身が理想とする料理を追求するうちに「レストランで過ごす時間そのものをトータルで演出したい」と思うようになった。茶道の心を表す「一座建立」のように、お客様との一体感を得ることを目指し、「コースのみ」というスタイルに至ったのである。






おいしいの先の感動を届けたくて

編集部
青山のレストランでは「フルコースのみ」を提供されていますが、アラカルトではなく、コース料理にこだわるのはなぜでしょうか?
柳舘
シェフ
僕は、お客様に、料理を通して感動や幸せを感じていただきたいんです。
どうしたら喜んでいただけるかって、24時間365日ずっと考えていて。「だったらレストランで過ごす時間をトータルで演出しよう」と、コースのみとなりました。

自分の感じた喜びをシェアしたい

編集部
味覚だけでなく、全ての時間や体験を大切にされているのですね。最も大切な料理について、思いを教えてください。
柳舘
シェフ
おいしいことは絶対ですが、さらに「楽しいね」「またがんばろう」って、明日への活力になってくれたらうれしいです。だから、自分が感動した体験や出会いをシェアしていただけるよう、料理で表現しています。

「レストラン同様のフルコースを自宅でも」華やかなフレンチ三段重に込めた思い

柳舘シェフがデリバリーを始めたのは、2つの理由から。コロナ禍でレストランに足を運ぶことが難しくなったお客様にも、家で笑顔で楽しんでもらえるメニューを作ること。そして、農家さんや漁師さんなど、レストランを支えてくれる方々への感謝と尊敬の念。目にも華やかなお重は、食べる人とそれを支える人の両方を元気で明るい気持ちにしたいというシェフの気概の表れとも言えるだろう。

今、僕たちができることを全力で

編集部
デリバリー用のメニューに込めた、シェフの思いを教えてください。
柳舘
シェフ
僕一人では何の役にも立たないかもしれないけれど。今できることと言えば、レストランと同じ味をご家庭へお届けすることだけですから。当店の味を楽しみつつ『がんばろうね、次はお店で食べたいね』って、未来の希望を話していただけたら最高ですね。

フルコースのこだわりは貫いて

編集部
レストランとデリバリーでは、お客様が召し上がるまでの時間が大きく異なります。調理法や食材選びなど、工夫した点はありますか?
柳舘
シェフ
デリバリーでもお店のコンセプトは変えず、フルコースを楽しんでいただけるよう試作を繰り返しました。出来立てをすぐにサーブできない中、レストランと遜色のないコースを実現するために、例えばソースをふるふるのジュレにしたり。正直、工夫は山ほどあって語り尽くせません(笑)。

宝箱を開けるようなときめきを

編集部
デリバリーメニューをご紹介する上で、注目すべきポイントを教えてください。
柳舘
シェフ
なんと言っても、蓋を開けた瞬間のドキドキ感やワクワク感ですね。家族みんなでお重を囲み、開いたときに「わぁ!」「すごい!」って歓声が上がる……そんなHAPPYな光景をイメージして、ビジュアル的なサプライズ感やインパクトを追求しました。

柳舘シェフが教える 家庭でのフルコースお重の楽しみ方

三段重は、レストランでいただくコースの流れを自然と追体験できるよう計算されているので、自宅でプラスアルファの準備は必要なし。「さらに特別な時間を演出するには?」とちょっと欲張って聞いてみると、3つの楽しみ方を教えてくれた。

楽しみ方

アミューズからメイン、デザートまで。 全24品のコース料理の流れを楽しむ

アミューズからメイン、デザートまで。 全24品のコース料理の流れを楽しむ

至福のときは上段のアミューズからスタート。中段には海老のオーロラソースや鴨のコンフィ、下段には牛フィレ肉など豪華なメインが並ぶ。上段から下段へ、そして上段へ、ぐるっと一周すればコースの完成。

上段はアミューズ前菜9種類と、コースを締めくくるデザート。中段と下段にはスペシャリテもふんだんに盛り込む
料理を取り分けても華やかに

料理を取り分けても華やかに

エディブルフラワーをふんだんに使ったお重は、テーブルに並べるだけでパーティが始められるほどの特別感。芸術作品のようなビジュアルを目で味わった後は、お皿や器に自由に取り分けて。

お重のままでも美しいが、皿や器に盛り付けることでボリュームにも驚かされるはず。テーブルもいっそう彩り豊かに
日本酒もワインもあうけど、 おすすめはシャンパーニュ

日本酒もワインもあうけど、 おすすめはシャンパーニュ

特別な日には、ぜひシャンパーニュを開けて。「でも、ワインも日本酒も、何でも合いますよ。例えば、ポルトの赤ワインで煮込んだ穴子なんかはワインとも相性がいいんです」。

自宅での楽しみ方は自由。あえて推すなら、シャンパーニュと一緒に味わえば、もっと幸せ!

三段重に詰められた全24品から注目メニューをピックアップ

名店の味をそのまま家庭へお届けするのは、並大抵のことではないはず。にも関わらず、三段重には、お重用のオリジナルメニューに加え、レストランで人気の品もラインナップ。各段から注目メニューをご紹介。

PICK UP

上段より「穴子 実山椒 天栄米」

上段より「穴子 実山椒 天栄米」

日本料理のような第一印象を抱く一品ながら、口にした瞬間に赤ワインがふわりと香り立ち、予想はうれしく裏切られることに。冷めても美味しい天栄米は「日本最高峰のお米」と称される銘柄。
中段より「鴨のコンフィ」

中段より「鴨のコンフィ」

柳舘シェフがフランス修行時代に1カ月間食べ続けた(!)という伝説的メニュー。低温でじっくり火を入れた鴨肉は、凝縮された旨みと柔らかな食感が素晴らしい。鴨の脂をまとったじゃがいものロティとの相性も抜群。
下段より「スズキ ハタ サーモン シャンパンヴィネガー」

下段より「スズキ ハタ サーモン シャンパンヴィネガー」

時間の経過の影響を受けやすい魚料理は、和食の技法をフレンチスタイルにアレンジ。シャンパンヴィネガーとハチミツに漬け込み、まろやかな酸味と香りに加え、しっとりした食感の保持を実現。

おいしいだけじゃない。美しいだけでもない。柳舘シェフが紡ぎ出すのは、自宅に居ながら非日常の世界を旅するような、物語を感じるフレンチ。ぜひ、大切な日に、大切な人と、心躍る三段重を囲み、特別仕立てのひとときに浸ってみては?

GO Dine 編集部 実食レポ

家でおいしく楽しく過ごすための、特別な「ごちそう」だから。僭越ながら編集部が実食し、その魅力の一端をレポートします!

Producer

丸山

特に印象に残った一品は「お魚のシャンパンヴィネガー」。ほろっと口の中でほどけるお魚は、酸味もちょうどよく、やさしいお味。エディブルフラワーの華やかさも特別でした。

Editor

木崎

とにかく美しくって、一品一品がボリューミー。お店でいただくコースも、彩りやお皿の絵柄まで見た目にもすごくこだわられていますが、その雰囲気がお重にも。そしてどれも体に染み込む優しい味でした。

Campaign
家で味わう贅沢を
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